年末こそ気を付けるアニサキス対策

どうもボッチです!
年末にお刺身やお寿司を食べる家庭は多いですね。もちろん私もお寿司を予約しましたよ(笑)

ただ、生魚を多く食べるということは「アニサキス」に当たる確率も高くなります。

なので、今回は「アニサキス」について説明していきます。正しい知識を身につけて予防をしましょう。

アニサキスって何?人に害のあるものなの?

馴染みのないアニサキスという言葉ですが、最近ではニュースでも頻繁に紹介されるようになってきたアニサキス寄生虫の一種で、魚介類に寄生します。

本来は、クジラやイルカなどの海にいる哺乳類に生息する線虫で、クジラなどの便と一緒に排出された卵が孵化し、オキアミなどに食べられて感染性を持った幼虫となります。そのオキアミなどを食べたサバやアジ、タラ、イワシ、サンマやイカなどの魚介類の中でさらに成長しますが成虫にはなれないので、その魚介類を食べたクジラやイルカなどの哺乳類の腸管で成虫になります。これがアニサキスの生活環です。

しかし、人がアニサキスが寄生している魚介類を食べると、人の体内は、アニサキスにとっては都合のいい寄生場所ではないため、成虫にはならずに人の消化管に潜り込むために、激しい腹痛などを伴うアニサキス症を起こしてしまいます。人の体内では成虫になれないので、数日すると死ぬか排泄されます。

アニサキスの幼虫は長さ2〜3cmで、幅0.5〜1mmくらいの半透明で白い糸のように小さく、魚介類の内臓や筋肉内に多く見られます。アニサキスにも種類があり、アニサキス・シンプレックスと言われるセンス・ストリクトというタイプが人に感染しやすいタイプです。

アニサキスは、加熱やマイナス20度で24時間以上の冷凍などで死滅しますが、魚介類を刺身などの生で食べる機会が多い日本の食習慣では、他国よりも感染するリスクは多いと考えられるでしょ

う。

 

アニサキス症には、どんな症状があるの?

アニサキス症には、緩和型と言われる自覚症状の少ないものがありますが、劇症型と言われる激しい症状が認められるものでは、激しい上腹部痛や吐き気、嘔吐、悪心を伴う場合があります。アニサキスは胃液で死滅するので、長くても数日ほどの生存期間ですが、アニサキス症が重症化する場合もありますので、アニサキスによる症状を疑われる場合は、すぐに医療機関で受診しましょう。

胃アニサキス症は、食後、数時間後にはみぞおちの激しい痛みやむかついた症状、吐き気、嘔吐、悪心などの症状がみられます。腸アニサキス症は、食後数十時間から数日後に、激しい下腹部の腹痛や嘔吐、発熱、悪心、頻脈などの症状が現れます。場合によっては、腸閉塞や腸穿孔を引き起こしてしてしまう事もあります。

消化管外アニサキス症は、アニサキスの幼虫が消化管に穴を開けて、腹腔内へ移動し、肉芽腫を作ってしまう場合があります。アニサキスの寄生した場所によって症状が異なります。また、アニサキスアレルギーは、食後にじんましんなどのアレルギー症状が現れます。アナフィラキー症状である呼吸器の異常や血圧の低下、意識の低下などが現れる場合もあります。

症状は多岐に渡り、無症状の場合もありますし、軽度の場合は、自然に治ってしまうこともあります。しかし、最近では、アレルギーも関与していると言われていますので、初めてのアニサキス摂取と2回目以降の摂取で反応が過敏に反応する恐れもあります。

 

アニサキス症にならないための対策

アニサキス症にならないためには、アニサキスを体に入れないことが一番です。ですが、それによって魚介類を食べないというのは、あまりにも食生活が乏しくなってしまいますし、残念でもあります。適切な対策で、アニサキスを予防することができます。

アニサキスの幼虫は、60度で1分、70度以上ではすぐに死滅してしまいますので、加熱は有効な対策となります。また、冷凍の場合は、マイナス20度で24時間以上で死滅するので、これも有効ですが、家の冷凍庫が必要な温度を満たしていない場合もありますので、詰め込みすぎや開け閉めなどの冷凍環境と冷凍時間なども含めた注意が必要です。

魚の鮮度が落ちると、内臓から腹部の筋肉へとアニサキスが移動することも知られていますので、生で食べる時は、鮮度のいいものを選び、すぐに内臓を取り除きましょう。

アニサキスが魚の筋肉に移動すると見つけることが難しくなります。アニサキスは、寄生虫の中でも比較的大きく、白い糸のように肉眼でも見ることができるので、目視を徹底するように心がけましょう。

アニサキスは加熱や冷凍など温度には弱い寄生虫ですが、食酢や塩漬け、醤油やわさびなどでは死滅しません。また、魚介類を薄く切ったり、細く切ったりする事や、食べる時にしっかり噛む事で予防できる場合もあります。

いくつかの方法がありますが、料理に合わせて適切な対策をしましょう。お店の方でも適切な処理と管理がされている場合が多いですが、必要以上に怖がらないためにも、アニサキスへの適切な対応を心がけましょう。

 

まとめ

アニサキスを予防するためには
・70℃以上の温度でしっかり加熱する
・マイナス20℃以上で24時間冷凍保存する
・よく噛んで食べる

「元」魚屋だから言いますが、12月は繁忙期のため休日無しで働きます。なので、疲労と寝不足で集中力が低下して、アニサキスを探しきれないことが多々あるのです。
安心・安全は自分の力で守っていくものなのでお刺身やお寿司を食べる時は、自分の目で確認しながら食べるようにしましょう。

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事